C++の型には最小の範囲だけが明記されている理由

明確な範囲を指定しないことによって、C++は様々な環境のコンパイラに各々で最適化できるようにしています。これが、C++が高性能のソフトウェアを実現できる所以とも言われます。

「ANSI/ISO C++ 規格」では、(ビルトインの)型はある特定の要件を満たさなければならないとだけ書いてあります。例をとると、「intは、実行環境のアーキテクチャによって定義された大きさを持ちます。」と記載されています。32ビット環境では、32ビット長となりますし、16ビットではintは16ビット。16ビットコンパイラに32ビットレンジのintを実装しても非効率なだけなのです。
もちろんですが、どのような環境であっても、標準の型の最小となる範囲に関しては明記されています。

ということは、それらの最小範囲を超えないように書かれたプログラムは他の環境に移植することが可能なのです。

C++のコンパイラでは、基本的な型の範囲がヘッダ内に記載されています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

no image

OOP ⊂ C++

大規模なプログラムを管理するうえで、オブジェクト指向プログラミング(OOP)は、効果を発揮するというのが、一般的な考えですが、「オブジェクト指向は、他と比較して大きなオーバヘッドが存在しないのか??」

no image

コンパイラ エラーと警告(メッセージ)

エラーメッセージに加えて、コンパイラは様々なタイプの警告メッセージを提供してくれます。エラーと警告の違いは何でしょうか? どのようなタイプの出力を参照すればいいのでしょうか? 致命的なシンタッス

no image

可変個数の引数リスト va_list (va_start/va_arg/va_end)

引数の数が固定ではなくいくつになるか分からない場合はvaマクロを使用すると便利です。 可変の数の引数をva_listに格納して、va_start、va_arg、va_endを使用して操作を行うという

no image

ワイド文字 wchar_t

wchar_tリテラル(wchar_t literal)は、文字リテラル(char literal)と同じ方法で表現されるのか? 答えは、No。ワイド文字定数(wchar_t)は、文字Lが前に付

no image

C++のいろんなデータ型

なぜ、C++には整数値や浮動小数点値に対して、様々な種類のデータ型が用意されているのでしょうか? 数値を表すのに全て同じ型にしないのでしょうか? 項目については、他の方のブログに譲るとして、

no image

C++ vs Java,C# 違い

なぜ、JavaやC#は、クロスプラットフォームで、移植性の高いプログラムが作成でき、C++は同じようにできないのか? 「なんとなく」から「じっくり」理解してみようと思います。 C++ コンパイ

no image

C++ コードブロック

コードブロックを使用するとランタイムの非効率化を招くのか? 言い換えれば、{ and } プログラム実行時に、余計な時間がかかってしまうのか? 答えは、No。 コードブロックは、オーバヘッドを

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    PAGE TOP ↑