Blowfishを使用してハッシュ化する
使用方法
Blowfishを採用してハッシュ化を行う場合、Securityクラスのhashメソッドを呼び出します。第2引数に'blowfish'を指定し、第3引数を指定しないもしくはfalseにします。
$plain_for_blowfish = 'strengthpassword'; $hashed_by_blowfish = Security::hash( $plain_for_blowfish, 'blowfish');
'blowfish'を指定するとphpのcryptを使用します。lib/Cake/Utility/Security.phpの_cryptを参照。
cryptの第二引数にはsaltを指定しますが、Cake側から以下のように作成されて渡されます。
まず、/app/Config/core.php内に指定されている'Security.salt'にuniqueidを掛け、sha1でハッシュ化を行い、base64エンコードしています。そして、'+','='を'.'に置換して先頭22バイトを切り取っています。最後に、先頭にプレフィックス"$2a$"と後述するハッシュコストが付与されます。lib/Cake/Utility/Security.phpの_saltを参照
phpでは、saltの文字列が以下の条件の場合にblowfishアルゴリズムが使用されます。
// /ext/standard/crypt.c
if (
salt[0] == '$' &&
salt[1] == '2' &&
salt[2] >= 'a' && salt[2] <= 'z' &&
salt[3] == '$' &&
salt[4] >= '0' && salt[4] <= '3' &&
salt[5] >= '0' && salt[5] <= '9' &&
salt[6] == '$') {
PHP: crypt - Manual
CRYPT_BLOWFISH - Blowfish ハッシュ。salt の形式は、 "$2a$" か "$2x$" あるいは "$2y$"、2 桁のコストパラメータ、"$"、そして文字 "./0-9A-Za-z" からなる 22 文字となります。 この範囲外の文字を salt に使うと、crypt() は長さゼロの文字列を返します。 2 桁のコストパラメータは反復回数の 2 を底とする対数で、 これは Blowfish ベースのハッシュアルゴリズムで使います。 この値は 04 から 31 までの範囲でなければならず、 それ以外の値の場合は crypt() は失敗します。 5.3.7 までのバージョンの PHP では、salt のプレフィックスとして "$2a$" だけしか使えませんでした。PHP 5.3.7 で新たなプレフィックスが導入され、 Blowfish の実装にあったセキュリティ上の弱点に対応しました。 セキュリティ修正の対応の詳細については » この文書 を参照ください。 簡単にまとめると、PHP 5.3.7 以降しか使わないのなら "$2a$" ではなく "$2y$" を使うべきだということです。
2つ目のパラメータにあたる「コストパラメータ」はハッシュ化する際の計算の繰り返し回数になり、2の乗数になり、処理時間と複雑性を天秤にかけることになります。
CakePHPでは、デフォルトは「10」に設定されていますが、「04 から 31 までの範囲」(5以上30以下)で設定することができます。
// /app/Controller/AppController.php
class AppController extends Controller {
public function beforeFilter() {
Security::setCost(14);
}
}
関連記事
-
-
Formヘルパーのinputタグのdiv/labelなどの設定
Formヘルパーのinputではデフォルトでは以下のようにdivで囲われて、labelが付与されて出力されます。 CSSのフレームワークなどであらかじめ決まったスタイルがある場合に便利に作られていま
-
-
多言語サイト向けに翻訳ファイルを使って翻訳を行う
CakePHPには、翻訳をビヘイビアを使用する方法と翻訳ファイルを使用する方法の2つがあるそうです。(他にもあるのかな?) 今回は、翻訳ファイルを使用して言語の切り替えを行い、その言語設定をCook
-
-
Jsヘルパーを使用してAjax更新
更新処理でページ遷移を伴う場合、ページ全体をレスポンスするのに対して、Ajax処理ではページの一部のレスポンスが可能となるためサーバからの通信量を抑えることが可能となります。デモ head
-
-
hasOne アソシエーション
hasOneアソシエーションはテーブル間で1つのレコードに対して他のテーブルに紐付くレコードが1つの場合にjoinする場合に使用します。 CakePHPのドキュメントにならってUserモデルとP
-
-
HttpSocketを使用してリクエスト送信
CakePHPには、Webサービスへのリクエスト送信のためのHttpSocketクラスが用意されています。 HttpSocket get HTTP GETリクエストを発行します。デモ H
-
-
CakePHP 2.x インストール
現在まで私が商用・非商用にリリースしているCakePHPアプリケーションは全て1.3.xベースで作成しています。 まだまだロードマップ的には大丈夫そうですが、お客さん向けに納品しているアプリケーショ
-
-
ユーザ登録(仮登録・メール・本登録)
以前1.3版で投稿した「ユーザ登録」処理の2.x版を作成しました。フローは同じで以下のようにします。 1. メールアドレス・パスワードでユーザ登録 2. この時点では仮登録として、本登録用のU
-
-
ネストしたリストを出力「nestedList」
DBやJSONからデータを取得して、そのデータをもとにメニュー表示などネストしたリストを出力させたい場合に「nestedList」が便利です。 ヘルパーに渡すデータは連想配列である必要があります。(
-
-
アップロードファイルのバリデーションルール
CakePHP 2.2や2.3になってファイルアップロードに対するルールがコアバリデーションに追加されているようで、まとめてみました。 コアバリデーション 関連しそうなルールは以下の4つの
-
-
数値系バリデーション
CakePHP 2になっていくつか数値用バリデーションルールが追加されています。 数値用 (コア)バリデーション decimal - 十進数であること numeric - 数値であること

