Cookieログイン
今回は、ログイン画面でよくみかけるクッキーログインの機能を使ってみます。
CakePHPには、Cookieコンポーネントがあります。(PHPのsetcookieメソッドのラッパー)メソッドはwriteとreadです。わかりやすい。
ログイン時に、「ログインしたまま」というチェックボックスをつけてログインしてきたユーザのクッキーをwriteして、次回そのユーザが訪問した際に、クッキーをreadして自動的にログインさせます。
Cookieコンポーネントの使用
var $components = array( 'Cookie', }
使用する際は、コントローラ内でコンポーネントを読み込んで下さい。
writeメソッド (クッキーをつくる)
ログイン画面にチェックボックスを用意します。今回は、remember_meにします。以下は、Userモデルのusernameとpasswordという前提にしていますので、異なる場合は置き換えて下さい。
public function login() { if (!empty($this->data) ) { // ログイン OK if ($this->Auth->login()) { // remember_meがチェックされている場合 if ($this->data['User']['remember_me']){ // cookieへの書き込みにremember_meを除外 unset( $this->request->data['User']['remember_me']); $cookie = $this->request->data; // cookie書き込み $this->Cookie->write( 'Auth', $cookie, true, '+2 weeks'); // remember_meがチェックされていない場合 } else { } // リダイレクト return $this->redirect( $this->Auth->redirect()); // ログイン NG } else { $this->Session->setFlash( 'Invalid username or password'); } } }
これで、CakeCookie['Auth']['User']という名前で保存されます。
- $key:Cookieの変数名です。(ドット表記できます。)
- $value:保存する値を入れます。今回は、usernameとpassword
- $encrypt:暗号化有無。暗号化せず平文で保持する場合は、falseへ。暗号化は、Security.saltとSecurity.cipherSeedを使用して行われます。
- $expires:クッキーの有効期限を設定します。秒数もしくは、strtotime()で変換可能な文字列で指定します。上の例だと2週間。
readメソッド (クッキーをつかう)
ログイン画面にアクセスした際に、$keyをもとにクッキーのデータをリードして、その値でログインを試みます。
function login(){ if (empty($this->data) ) { // cookie 有り if ($this->Cookie->check('Auth')) { // cookieをログイン用データに書き込み $this->request->data = $this->Cookie->read('Auth'); // ログイン OK if ($this->Auth->login()) { // ログインリダイレクト return $this->redirect( $this->Auth->redirect()); // ログイン NG } else { // coockie削除 $this->Cookie->delete('Auth'); // クッキー削除 } // cookie 無し } else { // ログイン画面表示 } } }
$this->Cookie->read('Auth')の中身を確認すると、以下のようになっており、ログイン処理に使用するUserデータそのものになっているはずです。
Array ( [User] => Array ( [username] => ユーザ名 [password] => パスワード ) )
- read(mixed $key)
- $key - Cookieの変数名です。(ドット表記できます。)
deleteメソッド (削除する)
Cookieの中身を削除します。Cookieの内容でログインできない場合は、deleteしてください。そうしないと堂々巡りになります。(上記) また、ログアウト時もdeleteして下さい。
public function logout() { $this->Cookie->delete('Auth'); return $this->redirect( $this->Auth->logout()); }
destroyメソッド
Cookieそのものを破棄します。違いは、deleteはcookieの値を指定して削除できるのに対し、destroyはごっそり消します。
Cookieコンポーネントの変数
変数 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|
string $name | "CakeCookie" | クッキーデータの「name」 |
string $key | 'Security.salt'の値 | クッキーの値を暗号化に使用される文字列。ランダムで複雑な値にする必要がある。 |
string $domain | "" | クッキーへのアクセスを許可するドメイン。".yourdomain.com" とした場合は、そのサブドメイン全てで許可されます。 |
int or string $time | "5 Days" | クッキーの有効期限。数値は秒として扱われる。0とすると"セッションCookie"として扱われます。(←ブラウザを閉じると破棄される。)文字列の場合は、PHPのstrtotime()を使用して解釈されます。この値は write()メソッド内でも設定可能 |
string $path | "/" | クッキーが適用されるパス。‘/foo/’と設定した場合は、/foo/ディレクトリとそのサブディレクトリのみで利用できる。デフォルトは、全ディレクトリになる。write()メソッド個別で設定可能 |
boolean $secure | FALSE | クッキーの送信をHTTPSのみに限定するか否か。trueで設定。これもwrite()メソッド個別で設定可能 |
boolean $httpOnly | FALSE | trueでクッキーへのアクセスをHTTPのみにして、Javascript経由でアクセスさせない。 |
現在の設定は、$this->log($this->Cookie, LOG_DEBUG)などで確認してみて下さい。
function beforeFilter() { $this->Cookie->name = 'baker_id'; // クッキー名‘baker_id’ $this->Cookie->time = 3600; // 有効期間=>1時間 $this->Cookie->path = '/bakers/preferences/'; // /bakers/preferences/ $this->Cookie->domain = 'example.com'; // example.comドメイン $this->Cookie->secure = true; // HTTPSの場合のみ送信 $this->Cookie->key = 'qSI232qs*&sXOw!'; }
Session用のCookieのキー名を変更する
Session用のクッキーを格納するキー名はデフォルトでは、"CAKEPHP"になっています。必須ではないですが、変更してみます。core.phpに
/* - `Session.cookie` - The name of the cookie to use. Defaults to 'CAKEPHP' */ Configure::write( 'Session.cookie', 'NAMEOFKEY');
今回は、クッキーデータの扱い方法をログインに例にとって投稿してみました。
関連記事
-
バリデーション前後に処理を追加できる「beforeValidate」「afterValidate」
CakePHPでは、「beforeValidate」「afterValidate」というバリデーション処理の前後で追加の処理を実装できるコールバック関数が用意されています。 beforeVali
-
hasOne アソシエーション
hasOneアソシエーションはテーブル間で1つのレコードに対して他のテーブルに紐付くレコードが1つの場合にjoinする場合に使用します。 CakePHPのドキュメントにならってUserモデルとP
-
複数ファイルアップロードフォーム
CakePHP 2.0からはHTML5が標準でサポートとなり、複数ファイルアップロードのためのフォーム記述が容易になりました。 View (ビュー) 配列 Array (
-
アップロードファイルのバリデーションルール
CakePHP 2.2や2.3になってファイルアップロードに対するルールがコアバリデーションに追加されているようで、まとめてみました。 コアバリデーション 関連しそうなルールは以下の4つの
-
バリデーションエラーメッセージの取得
CakePHP 2.xになってバリデーションエラー時に返却されるメッセージのデータ形式が変更になったようです。1.3系では、ひとつのフィールドに対して返却されるメッセージは一つのルールのみですが、2.
-
Js/Cssファイルの読み込みや出力する方法
CakePHPのHTMLヘルパーにはjsファイルやcssファイルを読み込むためのメソッドが用意されています。ファイルを読み込むのに加えて、出力先を複数指定できるようになっています。 また、インライン
-
入力文字列の長さ(文字数)をバリデーション
CakePHP 2には、コアバリデーションに文字列の長さを検証する関数が用意されています。 文字列長(コア)バリデーション minLength - 最小文字数以上であること maxLengt
-
コントローラ内でバリデーション処理を呼び出す
CakePHPでは、saveメソッドの際にバリデーション処理も自動で行われますが、save処理と切り離してバリデーションを行うこともできます。このときは、save時と若干異なる処理体系になります。
-
CakePHP インストール時エラーの対処
CakePHPインストール時に出くわすであろうエラーの原因と対処方法についてまとめてみました。前提として、WebサーバはApache、データベースはMySQLとしています。 Timezone未設
-
ネストしたリストを出力「nestedList」
DBやJSONからデータを取得して、そのデータをもとにメニュー表示などネストしたリストを出力させたい場合に「nestedList」が便利です。 ヘルパーに渡すデータは連想配列である必要があります。(
- PREV
- Google+ プラスワン(+1)ボタンの設置
- NEXT
- 複数データベースの追加と切替
Comment
ログインが成功したユーザーidとパスワードをCookieに保存する、
という形のサンプルになってますが、
これだとセキュリティ上どうなんでしょう
わかりやすいですね
@Momo060849 http://t.co/krFCYokXzg
CakePHP 2.x - Cookieログイン http://t.co/SaotazXb6U