コントローラ内でバリデーション処理を呼び出す

CakePHPでは、saveメソッドの際にバリデーション処理も自動で行われますが、save処理と切り離してバリデーションを行うこともできます。このときは、save時と若干異なる処理体系になります。
バリデーションをsaveから切り出して行う
ポイントは、1.のvalidatesの前にデータ($this->request->data)をdataをModelにsetする必要があるところです。(「若干異なる処理体系」とはここのことです。)この処理を行わないとvalidatesは常にtrueを返します。
validatesメソッド内で、invalidFieldsメソッドが呼び出されます。このメソッドは[Model]->validationErrorsにバリデーションのエラーメッセージ(message)を格納します。バリデーションNGの場合、ここからメッセージの取り出しが可能です。
// 1. モデル[Model]にデータを設定 $this->[Model]->set( $this->request->data ); // 2. モデル[ModelName]のvalidatesメソッドを使ってバリデーションを行う。 if ($this->[Model]->validates()) { // バリデーションOKの場合の処理 } else { // バリデーションNGの場合の処理 $this->log( $this->[Model]->validationErrors, LOG_DEBUG); }
フィールドを限定してバリデーションを行う
fieldListでフィールド名を指定すると、そのフィールドに対してのみにバリデーションを行います。以下の例だとUserモデル内のusernameとpasswordのみ
$this->User->set( $this->request->data ); if ($this->User->validates( array( 'fieldList' => array( 'username', 'password')))) { // バリデーションOKの場合の処理 } else { // バリデーションNGの場合の処理 }
複数レコードのバリデーション
複数レコードに対してバリデーションを行いたい場合は、saveAllで「'validate' => 'only'」を指定することで実現できます。
if ($this->[Model]->saveAll( $this->request->data, array( 'validate' => 'only'))) { // バリデーションOKの場合の処理 } else { // バリデーションNGの場合の処理 $this->log( $this->[Model]->validationErrors, LOG_DEBUG); }
saveAllの方法は、saveManyの項を参照:saveMany
確認したところ、[Model]->validationErrorsにレコードごとにバリデーションエラーメッセージを格納してくれます。
// 例 $this->log( $this->[Model]->validationErrors, LOG_DEBUG); Array ( [0] => Array ( [field] => Array ( [0] => error message ) ) [1] => Array ( [field] => Array ( [0] => error message ) ) )
save内のvalidateをスキップ
save前にvalidatesを行った際には、「'validate' => false」を指定することでsave内でのバリデーションを行わなくなります。
// saveもしくはsaveAll if ($this->[Model]->save( $this->request->data, array( 'validate' => false))) { // save OKの場合の処理 }
関連記事
-
-
FullCalendarを使用してカレンダーアプリケーション
カレンダーアプリケーションを作成するため、カレンダー表示できるプラグインを探索して出会ったFullcalendarを試してみました。シンプルに使用できる上に、オプションがかなり豊富です。ダウンロード
-
-
テーブルからランダムにデータを取り出す(find)
CakePHPでテーブルから特定件数のレコードをランダムに取得するには以下のように指定するとできます。 $this->data = $this->Bulkdata->find( 'all',
-
-
selectボックスを実装
今まで、selectボックスのgroupを作成するのにSet::Combineを使用していましたが、意外と簡単にできることに気付いてしまったので、ご紹介。(自分だけ知らなかったことに気付いた と言った
-
-
Syslogログエンジン
2.4から「Syslog」ログクラスが追加され、簡単にSyslogを使用できるようになりました。 CakePHP側の設定はbootstrap.php内のCakeLogコンフィグのengineを'Sy
-
-
ログインに追加の条件を付与する「scope」
ユーザ登録では、仮登録処理(status=1)から送付したメール内のリンクをクリックしてもらい本登録(status=0)を行ってもらう実装をしました。仮登録の状態ではログインできないように実装するには
-
-
DebugKitを導入
定番のブログチュートリアルをこなして、定番のDebugKitを導入してみました。 2.3からはCakePHPインストール直後に以下のように導入を推奨するような警告メッセージが表示されるようになりまし
-
-
入力文字列の長さ(文字数)をバリデーション
CakePHP 2には、コアバリデーションに文字列の長さを検証する関数が用意されています。 文字列長(コア)バリデーション minLength - 最小文字数以上であること maxLengt
-
-
パス定数と変更方法やURLの取得
CakePHPは基本的にはディレクトリそのまま配置することで構築が可能ではありますが、設定パスを変更することでセキュリティに考慮した構成にすることや運用性をもたせたものにすることが可能になります。
-
-
RSSフィードの取得
コンロトーラ public function getrssfeed() { try { $newsItems = $this->Rss->read( 'http://
-
-
SQLクエリーをログに出力する
SQLのクエリーをデバッグするには、Debug Kitを使用すればできますが、デバッグログと一緒に出したいのでやり方を調査してみました。 別々のログやビューでみるのもいいですが、秒単位で実行される処
Comment
[…] ・CakePHP 2.x – コントローラ内でバリデーション処理を呼び出す […]